小説

【ゴッホを殺したのはゴーギャンだったのか?歴史をひっくり返すストーリーがここに】


*リボルバー*

もしあなたが、歴史をひっくり返す品物を発見してしまったらどうしますか。

新しい発見への高揚
歴史をひっくり返す可能性への恐怖
そして、欲。

パリの小さなオークション会社に持ち込まれた
赤く錆びた鉄屑
実はこれはゴッホが自分の腹を撃ち抜いたリボルバーだという。

ゴッホとゴーギャンを幼少期から愛し、
研究を続けてきた冴は、
このリボルバーは果たして本物なのか
リボルバーを持ってきたマダムの話は真実なのか
謎を明らかにしていく。

そして、徐々に明らかになっていくストーリーに読み手が止まらなくなる。

自分の可能性を信じ
自分の欲を最優先し
どんなに苦しい状況でも
絵を描き続けたゴッホ

アルルで共同生活をしたことで
ゴッホと常に比較されるゴーギャン

ゴッホとゴーギャンの生い立ちは
まるで正反対
でも、”新しい芸術”に向けた共通の情熱で
何度もぶつかり、何度も交わる
それは二人が亡くなった今でも続いている

読んでいて苦しくなりながらも
読み手が止まらなかった。
こんなに周りに負担をかけながら
自分の可能性に日々進んでいったゴッホのような情熱が今の人間にあるだろうか。
わたしはない。
だからこそ、ここまでなれることが羨ましくも苦しくも感じた。

身近にいた弟のテオやゴーギャンも
同じようにゴッホの才能にのまれていったのかな。

読み終わった後の魂が抜けた感じ。
最後さらっと現実世界に戻してくれたので、
物語として終わったけど、
この現実世界な戻すラストがなかったら
ハリーポッターの秘密の部屋のように
本の中にのまれそうになりました。

うん。
読んだ方がいいです。
読んでよかった。

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